信州で小さい秋を見つけた。9月18日、19日の2日間、高原を歩いた。山が真っ赤に染まるには少々早かったが、それはそれで楽しい休日となった。
1日目は、抜けるような秋空が広がる白馬五竜周辺をトレッキング。標高1500bまでゴンドラとリフトであがり、地蔵の頭から標高2,009mの小遠見山頂をめざした。五竜岳(2、814b)への登山ルートにあり、往復約2時間30分。ベテランは口々に「夏山だ」というほどの猛暑に見舞われた。風もなく、汗が流れ落ちるほど。Tシャツ一枚、息を切らせながら、連続する急坂を、1時間30分ほどで登りつめた。
ナナカマドの実は真っ赤。木々の葉も色づきはじめ、紅葉まであと数日というところ。コウメバチソウなど秋の花も楽しんだ。
小遠見山頂に立つと、360度の大パノラマ。五竜岳、鹿島槍ヶ岳、そして鹿島槍ヶ岳から五竜岳へ続く岩壁の稜線「八峰キレット」の迫力ある山容を間近に見た。栂池自然園や、八方尾根から一望するのとはまた違った迫力である。下界は碁盤目のように並んだ黄金色の稲穂が広がり、町並みも小さく見えた。
昼過ぎには麓におり、この日の宿・松の実さんにむけて車を走らせた。オリンピック道路を走り、途中から鬼無里に向かった。黄金色の稲穂が刈り取りをまつだけ。道端にはコスモスなど色とりどりの花、紅く染まったリンゴがいまにも落ちそうな果樹園…秋真っ盛りの里山風景を堪能しながらのドライブ。途中、販売所で土産にリンゴとトウモロコシを買った。鬼無里から戸隠へ抜け、長野の市街地に降り、菅平へ車を走らせた。保科温泉でトレッキングの疲れを癒した。太ももがパンパンになっていた。
翌日は、早起きし菅平周辺を走った。霧につつまれた朝。レタスは露にぬれてみずみずしいほど。高原のさわやかな空気がなんともいえない。朝食で一息入れ、菅平から一時間ほどにある湯の丸・池の平高原へ。標高2,000mに広がり、高層湿原植物が豊富に群生する花の宝庫・池の平湿原は草紅葉。可憐なリンドウが群生。写欲がわいた。人の姿も少なく、ゆっくりと時間をかけて、小さい秋をみつけながら木道を歩いた。 |