合併を考えるネットワーク・真田
編集責任団体 真田町の合併と自立を考える会
事務局 74−1111
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「3月に真田町が住民意向調査を実施した時の全戸配布チラシ」
自立・合併は町長・町議会に まかせられません
自立・合併は町民が決めます
     「三択」アンケートのカラクリを見抜いて   反対票で圧倒しましょう
「反対」が50%以下では多数をとってもダメ     
 箱山町長は、「不退転の決意」「合併に政治生命をかける」と言って、3回目のアンケート実施を提案しました。全町議で構成している合併対策特別委員会は箱山町長の提案を多数で決めました。
 アンケート項目の内容は、「賛成」「反対」「議会の決定にゆだねる」の3項目にすること。それぞれ50%を超える必要があること。いずれも過半数に達しない場合は、議会が判断すること。
 これは、「反対」が投票数の50%以上にならないようにするために練り上げた、意図的なものといえるでしょう。つまり、仮に、「反対」が49%で多数を占めても「合併」になってしまうような仕組みになっています。3項目にすれば得票率は分散するだろう。したがって50%以上の得票を得るのは大変になるだろう。
しかも「反対」が、50%以上の得票を得ない限りは、「議会が決める」ことが生きるだろう。これで「合併」の方向が決まるだろう。
 こんなことを予想しながら作られたものでしょう。これは手前勝手な「誘導型」アンケートというに等しい設問の仕方といえます。町民感覚からすると策術的なやり方であり、怒りを覚えます。
 真田町民の皆さん、このような「カラクリ」を許さず、「合併反対」にマルをつけようではありませんか。改めて「住民意向調査」をしようとするならば、「住民投票」こそ提案すべきです。
 アンケートに固執するならば、分かり易く、すっきりと、しこりを残さず賛成か反対の二者択一方式にすべきです。

真田町民は、町長にも町議会議員にも
「合併推進」の白紙委任はしていません
 箱山町長は、「政治の専門家である議会が判断すべきだ」、「感情に走る住民投票は排除されるべき」と述べました。しかしどうでしょう?
★ 先の町議選で、専門家と言われる候補者の多くは「合併」について全く無関心でした。
★ 一部の議員以外は、合併についてなんの公約もなく、選挙という関門を無事くぐり抜けました。
★ 町民にとって重大問題である「合併」に対する議員の「態度」が、今重要な時点を迎えています。投票してくれた町民一人一人に対する責任を自覚するならば、町民の声を誠実に汲み尽くす姿勢が問われています。
★ 昨年10月、「住民投票条例制定議会」は、住民投票は不必要という箱山町長提案を受けて、(1)条例制定に対する反対意見もなく、(2)自らの責任を隠す「無記名投票」で意思を表し、(3)条例制定を8対7の多数で否決した。合併に対する意見を持たない町議会議員、多くの傍聴者に顔を隠してでなければ意思表示をしない町議会議員に、「これは任せておけない」と実感しました。
★ 箱山町長も、町長選の選挙公約で合併に対する意思表示は何もありませんでした。また、この間の合併論議の中で、批判的な意思表示をする町民に対して箱山町長の「感情に走る言葉」を幾度か目にしました。少なくとも町民は、我が町の形を変えるかどうかの判断をするとき、「冷静に」対処する度量を持っています。

残そう!この真田町を
合併反対に○をつけて!!
町長選挙
平成13年4月29日
選挙公約には
自立・合併の認識なし
   町議会選挙
平成14年10月20日
選挙公約に現職議員
自立・合併の認識
あり9人・なし7人

  後(のち)の世
      町民悲しみ物語
 上田市との合併問題も、大詰を迎え自分自身の考えを、まとめる時期になりました。
 そこで判りやすくするために、合併問題を私達の家庭に置き変えてみました。
 
 同じ住宅団地に住み、同じ会社に勤める仲良し五人組がおりました。上田さん、武石さん、丸子さん、真田さんと栄さんです。
 仲良し五人組が勤めている会社の経営が、とても苦しくなり、社員の給料を大巾に減らさなくてはならなくなりました。
 このままでは生活が出来なくなってしまうという事で、家計をひとつにして、生活費を節約しようと、隣り同士の上田さん、武石さん、丸子さん、真田さんの四家族が、家計を一緒にしました。
 栄さんの家は、道路ひとつ隔てていましたので、単独で家計のやり繰りをする事になりました。
 上田さん、武石さん、丸子さん、真田さん達は、四軒の世話役として1名、家計の役と相談の役として2名を選ぶ事とし、無記名投票で選びました。世話役には家族10人、おじいちゃん、おばあちゃん、奥さんと子供達6人の上田さんが、得票数10票で当選しました。武石さん、丸子さん、真田さんの家族は、奥さんと子供1人の少人数ですので、各々3票づつしか入りませんでした。家計の役や、相談の役は5票づつ獲得した、上田さんの奥さんと、おじいちゃんがなりました。
 家族の多い上田さん一家で、世話役から家計の役、相談の役まで占めてしまいましたので、武石さん、
丸子さん、真田さんの各家族から、自分達の意見は全然通らなくなってしまうという事で不満が出ましたが、投票で選んだわけですから仕方ありません。でも仲良しの仲間でしたので、3家族から1名づつ出て意見を述べる機会を持つ事としました。
 しかし、実際に家計を預って居るのは、上田さんの家の、お父さん、お母さん、おじいちゃんですので、「家計が苦しくて大変です」と言われてしまえば、それ以上の事は言えません。武石さん、丸子さん、真田さんの家では不満が一杯です。生活の実態を見ても、上田さんのおじいちゃんの年金を家計に入れているとはいえ、10人家族ですから元々家計は苦しかったわけです。逆に3人家族の武石さん、丸子さん、真田さんの分が使えるようになったのですから、上田さんの家としては、一緒に住んで居る家族の希望を多く取り入れ家計を組めるので大変助かります。
 一方、仲間に入らなかった栄さんの家では、給料の少なくなった分をどうするか、家族3人で相談し合って支出を決めましたので、苦しいのは苦しいのですが、我慢出来ましたし、家族3人で工夫、協力して庭を畑にするなど、家計を助ける努力をしました。苦しい家計とはいえ、家族3人で相談して、一緒に野菜を育てたりなど、家族の絆は今迄以上に強くなり、自分達で作った野菜を収獲した時も家族3人で悦び合う事が出来ましたとさ。
 
 こんなお話を作ってみました。上田さん、武石さん、丸子さん、真田さんの四家族を1つの家計にしたのが合併です。栄さんのように一軒で生活して来たのが自立にあたります。このお話しを参考にして、いろいろと考えて下さい。

毎日新聞(2004年3月9日(火))記事より
サービス低下の懸念
「優遇」にも期限 住民負担増も
 現行の合併特例法の適用第1号として誕生した、あきる野市。「サービスは高く負担は低く」で合意し、敬老金の制度を支給年齢が低い旧五日市町に合わせるなど、しばらくは合意が守られた。
 だが市は2年後、「いつまでもこの考え方に拘束され、市の財政運営が硬直化することを危惧する」(市行革推進委員会答申)と、負担の「適正化」方針を打ち出した。
 旧五日市町では無料だった学童保育が有料化され、00年10月には、公民館や児童館の使用が一斉に有料化された。
 『合意』は役割を終えた」と市は説明する。
02年4月に合併した香川県さぬき市が昨年10月に実施した住民アンケートでは「税や費用の負担が増えた」の回答が54%、「細かなサービスを受けにくい」が45%あった。合併のメリットを感じている人は、わずか15%だった。
 毎日新聞の連載「平成の大合併」の記事を参考のため、掲載させていただきました。
 
  残そう真田町!!  誇り高き真田一族の故郷を
私たちは、合併に反対です  

理 由
その1
  住民自治を人まかせにせず
    暮らしと営業を 守っていきたいからです
 @合併してしまえば、予算編成権は事実上真田町から、上田市に移ってしまいます。今まで、長期振興計画を作るのに、住民の意見を取り入れてきました。その仕組みが無くなり、要望が通らなくなります。
 A真田町は道路などの社会資本整備は住民負担の拠出により建設し、福祉施設に、より多くの予算を使い充実してきました。
 私たちは先人の努力を継承していきたいと思います。
 真田町の社会資本整備はほぼ完了しました。合併してしまえば、上田市の下水道の普及や道路建設に予算が取られます。その結果、真田町には従来より配分が薄くなることが予測されます。※下水道普及率 上田市59・6%、真田町91%(平成14年現在)
 B公共事業の受注は真田町の業者が優先されていましたが、合併すれば広域になり、工事受注額も大きくなります。そうなれば真田町業者はランク外になったり、多くなった競争相手と立ち向かわなければならなくなり、受注機会は極端に減ることになるでしょう。受注が減れば真田町の経済力が落ち、過疎化・少子化を更に助長することになります。私たちは産業の発展を図り、少子化を食い止める必要があると考えています。

 「早期合併を進める会」のチラシ(平成13年3月7日付)によると、上田市の商工会役員である「0268の会」会長や「上田市真田会」会長の財政支援を受けながら運営しているそうです。この上田市商工会役員の財政支援の状況がこの合併問題の本質を現しているのではないでしょうか?

理 由
その2
 地方交付税の配分は、合併した場合と合併しない場合では16年後には逆転し、
 合併しない場合の方が多くなります
@私たちは合併問題を考える上で大事なことは、孫子の代まで安心して暮らせる地方自治、真田町にしておきたいということです。
 合併して、財政的な保障はされるとしても保証は10年間だけです。その後5年間で段階的に本来の地方交付税法にそって減らされます。その後は合併しない方が多く交付されることになります。(長野県もこのようになることを認めています。)従って、孫子の代まで考えるならば、合併しない方が有利になります。(その差額は4市町村の合計で17億円です。)
 A町は、「地方交付税5億円が減収になる。やって行かれないから合併だ」と言っています。
 東部町議会で議員の「三位一体の影響」質問に町は「1億7千万円の減収」と答えています。5億円の減収は疑問です。
 仮に5億円の地方交付税が減額されたら本当にやっていけないのでしょうか。
 平成14年度の「真田町決算状況」では7億8千万円ほど学校建設や農地の構造改善事業、道路改良、下水道などに当てられています。そして多額の予算を必要な整備はほぼ完了しているので、この部分を削れば十分対応できると考えます。

理 由
その3
 合併したら住民負担が強まります
 @真田町は都市計画地域に編入されていません。合併した場合税収を多くするため、都市計画地域に編入されることが予想されます。編入されれば、菅平の旅館・ホテルで1000万円以上の固定資産税を払っている方は、およそ都市計画税を併せて1140万円を徴収されることが予測されます。
 また、合併すれば地方交付税が4市町村で17億円減収となります。減収になれば一般会計から三分の一を拠出し補充している真田町の公共下水道会計は削らざるを得なくなるのではないでしょうか。削られれば下水道料金の値上げになり、住民の生活権や営業を脅かすことになるでしょう。
 菅平の観光産業にとって大きなダメージになり、真田地域経済の地盤沈下が予測されます。
 私たちは、都市計画税を押しつけられたくはありません。
 A任意合併協議会の実務者レベルの協議では、真田町が行っている保育園の通園バス無料を有料にする事を決めています。また、別所温泉と同様に菅平の旅館業から排出されるゴミの自己処理も決められ、もうすでに合併前から実施されています。
 一方、合併協議では住民生活に重大な影響を及ぼすものは全てが先送りにされています。
 合併してから決められては後戻りできません。地域の実情にあった予算編成をしていきたいと思います。
理由 その4 財政破綻に等しい上田市とは 一緒になりたくはありません
 公債比率(決算総額に占める借金返済の割合)は、通常15%以下に押さえていれば「健全財政」、20%を超えれば「再建団体」といわれています。上田市の14年度決算では公債費は69億3476万円(比率20・6%)に上っています。真田町は8億3476万円(比率16・4%)でちょっと危ないですが、上田市は危険な状況にあります。
 合併すれば結果的に真田町の住民も借金の尻ぬぐいをさせられることになります。

理 由
その5
 合併特例債を使えば、国の借金は増えるばかりです…
 借金体質からの転換が必要です
 「早期合併を進める会」の主張では、「700兆円の借金は…我々日本国民が作ったんです。」「借金は我々の世代では返せない。返す道筋ぐらいはつけるのが責任ある態度」と言いながら、「合併支援プランや合併特例債を活用」と主張していますが、矛盾していると感じないのでしょうか。
 今、全国で法定協議会に入っている地域が453地域、任意協議会が126地域、合計579地域あるといわれています。
 仮に、この地域全部が300億円ずつ合併特例債を使った場合は17兆3700億円も新たに借金を増やすことになります。
 真田町は、国の指導の下で事業の借金をしてきました。借金返済の割合も決められています。地方は地方の責任で、国は国の責任をもって返済していくことが、責任をとるということではないでしょうか。
 真田町は学校建設など一般会計の借金は10年で返済、下水道や上水道などの借金は据え置き期間を含めて30年で返済が義務づけられています。これをキチンと返すことが国全体の借金を減らすことになると考えています。

毎日新聞(2004年3月11日(木))記事より
交付税減 財政にズシリ
特例債のうまみ¥チえ
世はまさに無常である
 山梨県南アルプス市。6町村の合併(03年4月)から間もなく1年を迎える。今月5日、石川豊市長の市議会本会議での所信表明演説は皮肉に満ちていた。「(合併の過程で)非常においしい話を進めてきた者として、世はまさに無常であるとの言葉を実感している……」。国にはしごを外された、という強い不満の表現だった。04年度の普通交付税を80億6100万円と予想していた。しかし、実際の交付見込みは71億5000万円。市税収入も落ち込み、04年度当初予算案は前年度当初比で9・3%の削減を余儀なくされた。合併に関連する事業費の95%を起債でまかなうことができる特例債も、大きな負担に変わる。返済額の7割を国が交付税で肩代わりしてくれるが、残り3割は自力で返済する「借金」なのだ。南ア市の新市計画では、発行上限の375億円を使い切ることにしていたが、「すべてを見直す」(市幹部)と方針転換した。
「あめ玉」の苦さ
「平成の大合併」の本質は何か。岩波一寛・中央大名誉教授(財政学)は「目的は国の支出削減。企業に例えれば、合併はリストラ、三位一体は経費削減」と看破する。地方の痛みが増す可能性は高い。しかし、「あめ玉」の苦さに気づいていない自治体も多い。
国が交付税で面倒みてくれる保証はない
地方債残高は増加の一途をたどっている。国にも地方にもカネはない。岩波名誉教授は「いつまでも特例債の返還分を国が交付税で面倒みてくれる保証はない」と警鐘を鳴らしている。

 私たちは、こうした事実を町民みなさんに知っていただき、考えていただき、町の将来や住民の暮らしにとって何が良いのか、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
 そして、町が実施する「住民意向調査」に真剣に答えていきたいと思います。